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2007年当時は本当に「Perfumeって何?」という存在だったのです
2007年07月21日 (土) | 編集 |
”その男の人生は,とくに恵まれたものとは呼べなかった。
 いままでずっとそうだったし,現在もそうだった。
 といって,食うや食わずというほど哀れでもなかった。
 こんな状態が,いちばんしまつにおえない。
 なぜなら,恵まれていれば,そこには満足感がある。
 哀れをとどめていれば,あきらめの感情と仲よくすることができる。”


 男は鍵を拾う。異国的で神秘的な鍵。
 どこか,金持ちの邸の鍵かもしれない。
 手当たり次第に鍵穴に鍵を差し込み続ける。
 男は鍵に合う扉を求めて,旅を始める。世界へと。

 ”限りない回数の試みと,限りない回数の失望。”
 そうだ,この鍵に合う錠を作ればよいのだ。
 やがて,年をとり,死が近づいたと悟った男は,その鍵にあう錠を作ってもらう。

”望んだ形の実現ではなかったが,いま,ここに鍵に合うドアがあるのだ。
 夜のふけたころ,男は鍵の回る音を聞き,ドアの開く気配を感じた。”

”「あなたはだれで,なんのためにやってきたのですか」
 「あたしは幸運の女神。」
 「不老長寿や若がえり以外なら,なんでもかなえてさしあげるわ」

 しばらくの沈黙ののち,暗い中で,男の低いしわがれた声が応えた。”



 「何もいらない。いまの私に必要なのは思い出だけだ。それは持っている」


  「鍵」(妄想銀行より)  星新一 

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